本書は、Yuji Agematsuが活動拠点のニューヨークを歩きながら集めたゴミを、タバコのセロファン包装で包んだミニチュア彫刻シリーズ「zip」を紹介するユニークなアーティスト・ブックです。
2020年に1日1点づつ制作された366点の作品を展示したウィーンのセセッシオン(分離派会館)で開催された展覧会に合わせて出版されたものです。
スイスのClaus Dueのデザインによる本書籍は、2冊の本が1冊に左右で繋がる形なっており、左側には展示されたzipsシリーズから各季節毎に選ばれた月の個々の日の作品写真が掲載され、右側には作家がその日についてを記録した日記のようなノートのページが掲載されているのが特徴です。
哲学者でありUrbanomic(アーバノミック)の発行人であるRobin Mackay(ロビン・マッケイ)によるエッセイは、アーティストの日々のアッサンブラージュを、ゲームクリエイター高橋慶太の「塊魂(かたまりだましい)」での異質なものを夢中で集めることに大きな希望を見出す終わりのない欲望になぞらえて、その精神を鋭く捉え理論化したものです。プラトン、フィリップ・K・ディック、映画ズーランダーやダンテの神曲天国編など幅広く参照しインスピレーションを得ながらウエマツの作品にオマージュを捧げています。
March 2021
Sequence Press, Secession, Revolver Publishing
Text by Robin Mackay
Designed by Studio Claus Due, Copenhagen
Softcover w/ Swiss brochure binding
128pp (two 64pp sections)
175 x 246.5 mm (680 x 240 mm flat), 250 color images
ISBN 978-1-7336281-9-8
https://miguelabreugallery.com/artists/yuji-agematsu/
https://www.sequencepress.com/products/four-seasons