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Modern Monsters - Death and Life of Fiction

3,520円

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台北市立美術館(Taipei Fine Arts Museum)で1998年より開催されている国際ビエンナーレである台北ビエンナーレ(Taipei Biennial)。 1984年から1991年にかけて、台北市立美術館は「中華民国現代美術動向展」と「中華民国現代彫刻展」を交互に開催していました。1992年にはこの2つの展覧会を統合し、今日の台北ビエンナーレの前身となる台北現代美術ビエンナーレを開催しました。このビエンナーレは当初は公開審査により参加アーティストが選ばれていました。10年以上の変化を経て、世界的な「ビエンナーレ」の流れに適応し、台湾の現代美術を国際的に広めるために開催され、第1回は台湾、中国、韓国、日本のアジア4カ国のアーティストによる参加でした。その後規模を拡大し国際色を強め、国際的に有名なキュレーターと台湾のキュレーターと協力して開催していきました。これまでに南條史生(1998)、ジェローム・サンス(Jérôme Sans)(2000)、ダン・キャメロン(Dan Cameron)(2006)などがキュレーターを務めました。以来、台北ビエンナーレは、世界各地の新しい芸術思想を紹介し、台湾と異文化の対話の原動力となり、台湾の現代芸術の発展と国際芸術交流の主要なシンボルとなっています。 本書は台北ビエンナーレ2012の開催に合わせて発行されました。 台北ビエンナーレ2012は、アンゼルム・フランケ(Anselm Franke)がキュレーターを務め、文学史家である王徳威 (David Der-Wei Wang)が著書『The monster that is history: history, violence, and fictional writing in twentieth-century China.』で、その進化を辿った古代中国の怪物「タオウー」(檮杌、とうごつ、Taowu)を出発点としています。 王は、中国の歴史のどこかで作家や歴史家が、人間の意図を予見し阻止することができる凶暴な怪物「タオウー」を歴史そのものと同一視するようになった事を明らかにしています。「タオウー」は、歴史を支配出来ない人間の失敗を表し、様々な歴史的根拠の死角を占拠し、人間の理性や歴史の記述から逃れられない事柄をフィクションで表現しているのです。王は、ユートピア的な願望が制度的な暴力に覆われたことで知られる20世紀を背景に、特に中国近代史が「タオウー」を通して読むのに適している事を示唆しています。 台北ビエンナーレ2012では、「タオウー」が全ての近代に共通する経験である可能性を探っています。啓蒙と合理性の名の下に行使される暴力と残忍性の連続性が、怪物を歴史の記号に変えているのです。それは近代合理性そのものの矛盾の中に絶えず埋没している歴史でもあります。しかし、このビエンナーレは怪物の大衆文化的美学、すなわち「侵害された境界のスペクタクル」に関わるのではなく、その規範的マトリックスが現在の想像力と可能性の地平を狭めている事を語りながら、近代の匿名のシステム的怪物を取り上げ、暴露し武装解除する弁証法戦略に注目するのです。この行き詰まりは、フィクションの中で解消されるといえます。フィクションは、歴史学やドキュメンタリーにおける説明の盲点を明らかにし、近代の解放の約束の背後に潜む根本的な裏側、システム上の恐怖を取り上げます。展覧会を通して、「タオウー」は決して安定したアイデンティティやイメージとしてではなく、永久に形を変える反転として遭遇し、「タオウー」が占める傾斜点に私たちを位置づけ、近代という条件と神話の中でのフィクションの生と死を語るのです。 台北ビエンナーレ2012は、このような傾斜点における近代史の再解釈に取り組んでいます。40を超える出展作品に織り込まれているのは、6つの小さな美術館です。これらの小さな美術館とそれを取り巻く作品やプロジェクトは、ドキュメントとフィクションの間を行き来し、まさに怪物の姿が新たなアイデンティティを想定したモンタージュを作り出し、よく知られたグラフィック描写では2つの異なる認識が可能であり人物と背景の関係を逆転させる事が出来るのです。 https://www.taipeibiennial.org/ https://www.taipeibiennial.org/2012/en/index.html

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