ドイツ出身で現在はニューヨークを拠点に活動しているアーティストのLena Henke(リナ・ヘンケ)は、多面的な彫刻作品を大規模なインスタレーションで展開する作家です。本書は2019年9月から2020年1月まで、ドイツのジーゲンにある美術館Museum für Gegenwartskunst Siegenにて行われたヘンケの展覧会「My Fetish Years」に併せて出版されました。
都市計画やランドアートを想起させる彼女の作品は、対人関係、セクシュアリティ、フェティシズムなどをテーマとしています。そして常に美術史の家父長制の構造に、しばしばユーモアを交えながら奇抜な方法で介入しようとしています。干渉、盗用、制御の戦略を用いながら、自分自身と家庭環境との関係で作品を検証しています。彼女の美術における言語はミニマリズムへの参照を含みつつ、シュルレアリスムのモチーフと組み合わされています。ヘンケは路上生活を調査しJane Jacobs、Roberto Burle Marx、Robert Mosesなどの都市計画家や都市理論家の考えを探求しています。眠っている象、遊び場、ポストモダン建築のようにも見える耐候性の合成ゴムで作られた鮮やかな黄色の彫刻作品、20世紀の具象彫刻のコレクションを参照し深い紫のゴムで作られた家族のように見える人物彫刻、女性らしさと母性の象徴である砂でできた胸部の断片の彫刻等が展示されました。本書は10年間の創作活動を包括的に紹介しており、ヘンケの作品を年代順に紹介するのではなく、ヘンケの作品の中心的かつ繰り返し用いられる、介入、盗用、欲望、自己という4つのテーマに焦点を当てています。
softcover
252 pages
230 x 290 mm
color, black and white
published by SPECTOR BOOKS
https://spectorbooks.com/my-fetish-years
https://lenahenke.com/exhibitions/my-fetish-years/
https://www.mgksiegen.de/en/ausstellungen/551/lena-henke
https://bortolamigallery.com/artist/lena-henke/